以前にもこんな事があった
「ねねね、ロザリアったらぁ〜いいじゃなぁい」
「ダメったらダメですわ!」
ジュリアス様の執務室へ育成のお願いに向かう途中、ちょっといらっしゃい。と突然呼ばれて
オリヴィエ様の執務室に連れてこられたかと思ったら
ヤケに満面の笑みを浮かべてソファへ座らされた。
新作の色が出たとかで、大きなメイク箱を持ってきた彼は
今からメイクさせて欲しいから、すっぴんになれと言ってきた。
冗談じゃない!普段はあまり派手にならないように軽い化粧しかしていないけれど、さすがに男性の前で化粧を落とすだなんて…
うら若き乙女ですのよ!?
最初はやんわりと丁重にお断りしたはずが、一向に引く気がないオリヴィエにロザリアも遂には大声を出して拒むくらいまでに発展した
あの時は延々と攻防戦が続き…
「ねぇ〜ロザリアってばーちょっと、聞いてる?」
「…」
「前はあんなに素直だったのにさー。あの時のロザリアは可愛かったなぁ。」
わざと白々しく話すオリヴィエにふつふつと湧き上がりつつある怒りを沈めながら
冷静にシーツの中から返した
「あの時は貴方が強情で一歩も引かなかったから仕方なく…でもそれとこれとは違いますわ!」
「ふ〜ん、そんなもんかねぇ。」
ま、アンタのそういうトコ、可愛くて好きなんだけどさ
だから余計苛めたくなるってこの男心をもうちょっと学習した方がいいと思うよ
「でもさ〜、昨日あんだけ乱れておいて、そんな恥じらい見せられても説得力ないと言うかぁ…」
ぴくっ、
シーツの中に包まった体が反応した
もう一押し。
「…ねぇ、そんなに ヨカッタ?」
あえて耳元(があるであろう)まで顔を近づけて囁いてやれば
ガバァ
「オリヴィエ!!いい加減にしてちょうだい!」
勢いよくシーツから飛び起きた恋人はわなわなと顔を羞恥と怒りで染め上げていた
「やっと、顔を見せてくれた。おはよう。ハニー」
今日はどうやってこのご機嫌斜めなお嬢様を宥めようか考えながら、まずは愛しい体を抱きしめた
(寝起きの顔を眺めていたいオリヴィエと恥らう補佐官)