日差しの眩しい午後2時。ロザリアはいつもの時間に現れた。
「ん~、聞いたげるよ。こっちにおいで。」
向かいのソファに座るように促す。
ちょこん、と腰掛けたかと思うといきなり話し出す。
「あの方ったらひどいんですのよ、いつまでわたくしを子ども扱いなさるのかしら!
一生懸命話すロザリアはとてもカワイイ。
次々に言葉が飛び出す唇はつやつやしているし、
こちらを見る瞳はキラキラ輝いている。
これで話の中身がアイツのことじゃなければ、ホント、最高なんだけど。
「もう、あきれてものが言えませんわ。」
一通り話して落ち着いたのか、ロザリアはふう、と息をついた。
だから少し意地悪してあげる。
「でも、好きなんでしょ?」
とたんに赤くなる。首をぶんぶん振って、それで否定してるつもり?
恋する女の子はみんな可愛いっていうけれど、アンタは本当に特別カワイイ。
お茶の準備をして戻ってくると、ロザリアはソファで眠っていた。
そっとその隣に座る。
ねえ、アンタは気付いてるの?
この部屋に入ると、アンタのまゆ毛は2度下がる。
アンタの唇は2倍動く。アンタの笑顔は2割増しで綺麗になる。
それって、どういうこと?
恋を教えたのはアイツでも、ホントの愛を教えてあげられるのは、きっとワタシ。
「早く気付いてよね。」
恋に恋するお姫様の、伏せた睫毛にそっと口づけた。
FIN