「こんなに綺麗なあんたを見て、何もしないなんて無理。」
結婚式の後、オリヴィエは人気のない教会裏にロザリアを引きずり込んだ。
教会関係者もすでに引き上げ、参列していた皆も次のパーティの準備のために聖殿に帰ったところだ。
オリヴィエは誰もいないと知っているが、彼女はどうだろう。
「あ。」
ロザリアが何かを言う前に唇をふさぎ、ドレスの裾をたくし上げる。
こんなつもりでデザインしたわけではないけれど、柔らかなフリルとレースで作ったドレスは、簡単に彼女の足を露わにした。
ショーツの上から割れ目をなぞるように、ゆっくり指を滑らせる。
わずかに湿り気を帯びたショーツに、オリヴィエに笑みが浮かんだ。
「ん、いけませんわ。」
舌を絡ませて、彼女の口中を余すところなく浸食していくと、石造りの壁に反射して、唾液の絡むみだらな水音が響いた。
ロザリアの目が熱を帯びて、蕩けていくのと同時に、指先の湿り気もはっきりしてくる。
あえて一番感じる箇所は避け、足の付け根や割れ目だけを何度も往復すると、彼女の腰がもどかしげに揺れ始める。
快感を知ってしまった彼女の身体は、オリヴィエの手に抗えないらしい。
彼女の抵抗が止んだのをいいことに、オリヴィエはクロッチから指を忍び込ませた。
すっかり潤んだ彼女の秘所は指をなんなく飲み込み、もっと触れて欲しいとねだってくる。
オリヴィエが膨らんだ花芯に溢れる愛液を塗り、わざと水音を立てると、唾液とはまた違う、もっと粘度の高い音が石壁に反射して妖しく響いた。
「ん。ぁ…。」
必死に嬌声を堪えたロザリアの身体ががくがくと震えだし、愛液がつうっと腿を伝う。
「すごいね」
キスの合間に囁くと、ロザリアは顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でオリヴィエをにらみ付けてきた。
壮絶に艶っぽい顔に、オリヴィエの下半身に一気に熱が凝縮してくる。
オリヴィエは、はち切れそうに膨らんだ前のジッパーを広げてくつろげると、彼女の足を腕に抱えた。
クロッチをずらし、一気に自身の楔を彼女の中に押し挿れる。
きっと彼女も無意識に、この状況に興奮しているのだろう。
いつもよりも熱く蕩けた彼女のナカはぎゅうぎゅうとオリヴィエを締め付け、さらに奥へと誘い込むようだ。
キツいナカをかきまぜ、彼女の悦いところを突き上げる。
オリヴィエの首にしがみついて、揺すられるままのロザリアは、腿を伝う愛液を気にする余裕もなく、もう喘ぐだけだ。
快楽のあまり、目がちかちかして、すぐにでも吐き出したくなるのを堪え、オリヴィエは抽挿を繰り返した。
こんなところでこんなことをして。
もしかしたら自分は、彼女を試しているのかもしれない。
一生を添い遂げる誓いをもらっても、まだ足りないと思うのは、きっと自分が彼女を愛しすぎているからだ。
醜い肉欲も愚かしい独占欲も、全部を受け入れて愛されたいと願ってしまう。
お互いのむき出しの吐息だけが、石壁に吸い込まれていく。
「んっ」
一瞬、ロザリアの足先がぶるっと震え、ナカがぎゅうと締まった。
搾り取られるような快楽に、たまらずオリヴィエも最奥を突き上げると、たまっていた熱を吐き出した。
オリヴィエにもたれたまま、ロザリアはびくびくと身体を震わせている。
オリヴィエは胸のチーフを取り出すと、ロザリアの足の間を伝う液を拭き取った。
なんとかドレスを汚さずには済んだが、この後予定されている聖殿でのパーティのためにもシャワーを浴びておきたいし、今頃、姿の見えない主役二人を誰かが探しているかもしれない。
「大丈夫?」
ここまでするつもりじゃなかったのに、ついやりすぎてしまったのは、素直に反省している。
怒られるのを覚悟しながら、腕の中のロザリアに尋ねると、ロザリアは困ったように眉を寄せ、オリヴィエを見上げた。
「…足に力が入りませんわ。 どうしましょう。」
まだ情事の後の熱を残した潤んだ瞳に見つめられて、オリヴィエの胸がどきりと高鳴る。
ロザリアは怒るどころか、オリヴィエに申し訳ないとさえ思っているようだ。
愛しくて、愛しくて。
これから毎日、この気持ちが増していったら、最後はいったいどうなってしまうのだろうと、不安になるくらい幸せで。
可憐な姿をもう一度抱きしめたいという邪な気持ちを押し殺して、オリヴィエは微笑むと、彼女をふわりと抱き上げた。
「しかたないね。 こうやって連れて行くよ、お姫様?」
予想外のお姫様抱っこに、ロザリアは少し抵抗したけれど、すぐに無駄なことだと悟ったようで、おとなしく抱かれている。
オリヴィエは腕の中の宝物にそっとキスを落とすと、控え室へと戻ったのだった。
Fin